凍った雪ほど始末に負えないものはあり
ませよね。

 

降ったままの雪ならシャベルですくって
捨てることもできますが、がちがちに凍
り付いた雪は、既に雪ではなく氷になっています。

 

とてもシャベルですくえるようなしろも
のではないのです。

 

しかもこの凍結は北海道や東北でなくても、
関東関西での雪でも起こります。

 

むしろ、なまじ気温が高い分、雪が融けた後

凍結することも多いのです。

 

凍結した雪は車のスリップ事故の原因に
なりますし、歩行者も転倒して怪我をす
る事故も多発しています。

 

ということで、今回は凍った雪を早く溶
かす方法はないものかを、調べてみました。

凍った雪を早く融かす方法はどのような方法がある?

東京や大阪のような普段雪は降らない地
域でも、時には数十センチの大雪となる
ことがあります。

 

そのような大雪では、降雪がやんでも雪
は残り、翌日はその雪が凍結してスリップ

しやすくなってしまいます。

 

歩行者にしても凍った雪は怖いものです。

 

大雪の後は必ずといってよいほど、車の

スリップ事故と歩行者の転倒事故が発生
しています。

 

ではその凍った雪をなんとか早く融かせないものでしょうか。

 

その方法を見てみましょう。

 

お湯

まず一番先に思いつくのはお湯をかける
ことでしょうね。

 

確かに凍った雪にお湯をかけるのは効果
があります。

 

但し、ほんの数十センチ四方の雪

に対してだけです。

 

しかも、やかん一杯のお湯で融かせる深
さは、せいぜい10センチ程度なのです。

 

1メートル近く積もった数十平方メートル
の雪を融かすには、お湯の量は

プール一杯くらいは必要なのではないでしょうか。

 

プール一杯のお湯は、あまりにも非現実的ですよね。

 

仮にある程度の量のお湯を確保できたに
せよ、そのお湯をどうやって雪のある所
迄運びますか?

 

重いしやけどの危険もあるし、まずやめ
ておいた方が無難でしょうね。

 

それだけではなく、融かせなかった雪は
夜の間に凍り付き、カチカチのアイス
バーンになってしまいます。

 

これでお湯による雪の解凍は無意味どこ
ろか非常に危険ということがよくわかりますよね。

 

火炎放射器で溶かす方法を実行した人がいます。

 

人というか、はやくいえば自衛隊です。(笑)

 

結果は惨敗でした。

 

軍事用の火炎放射器でも、狭い範囲が僅
かに融けるだけで、大量の凍った雪には

とても歯が立たなかったそうですよ。

 

雪を溶かすには塩(塩化ナトリウム)
を使うことがあります。

 

なぜ塩で雪が融けるのかといいますと、
塩の成分が水にとけると、凝固点降下
が起こり、融点が下ります。

 

水が凍るのは通常の条件では0度です。

 

塩が入った水は凍る温度が低くなり、

0度でも凍らず水のままなのです。

 

結果として、0度の気温でも雪は融けて
ゆく、ということになります。

 

これが塩が雪を融かす原理です。

 

但し、塩をまくと塩害が起こる場合があります。

 

塩は物の成長を阻害しますので、農地
や植物のある庭付近では使えません。

 

実際に植物が枯れることもあったそうですよ。

 

それだけではなく、

塩は金属やコンクリートを腐食します。

 

ですので、車その他の金属がある場所や、
道路近くでは使用はしない方がよいでしょう。

 

特に、鉄筋の橋梁などでは、コンクリー
トの割れ目などから浸透し、鉄骨を錆に
より腐食、劣化させます。

 

そして、

橋の強度が減少して安全性が保てなくなる

ということもあるようです。

 

融雪剤

凍った雪を融かすには、融雪剤
(除雪剤・凍結防止剤)という
薬剤もあります。

 

これは塩化カルシウムや塩化ナトリウム
(塩です)を主成分とした薬剤で、凍っ
た雪を融かす効果があります。

 

また、塩化マグネシウム(にがり)を主
成分とする融雪剤もあります。

 

それぞれに特徴があり、目的によって使
い分けられています。

 

塩化ナトリウムは、水に対して濃度26.4%
で飽和状態(それ以上溶けない状態)に
なり、凝固点がマイナス21℃となります。

 

それに対して塩化カルシウムは濃度32%で
凝固点はマイナス 51 ℃まで下がるとの
ことです。

 

これと同じ原理を利用した、『ブライン冷凍』
という冷凍法が、漁業では用いられています。

 

海水に氷を混ぜて冷凍庫代わりにするの
ですから、簡単に使えて漁師さんは大喜
びでしょうね。

 

融雪剤は凍った雪を融かすための方法と
しては、最強の部類に入ります。

 

しかし、効果が大きい分弊害も大きい
が欠点です。

 

雪国の高速道路などを走った後、車の塗
装面に白っぽい粉のようなものがついて
いることがありますが、その正体が融雪剤です。

 

この融雪剤の主成分は塩や類似のもので
すので、金属に錆を生じます。

 

雪を融かすには、さらに強力な方法もあ
ります。

 

それは融雪剤と融雪ホースを併用する方法です。

 

水だけでは凍ってしまいますが、融雪剤
を併用することで、非常に素早く雪を融
かすことができます。

 

ホースで水をまきながら、融雪剤をまく
というやり方で、水と融雪剤を単独に使
うより格段に融雪は速くなります。

 

また、塩害防止のためには、無塩タイプ
の融雪剤もあります。

 

これが塩化カルシウムや塩化マグネシウ
ムを使った融雪剤で、若干高価ですがそ
れだけの価値はあるようです。

 

但し、この種の無塩タイプの融雪剤は、
売り切れになるのが早いようです。

 

これらの融雪剤の代わりになるものと
しては、赤蕪のテーブルビートを原料
にした『ビーツジュース』があります。

 

これはカナダのトロントで採用されて
いる方法です。

 

凍結防止剤を散布した上から、ビーツ
ジュースをスプレーすることで、道路
の凍結温度をさらに下げる効果があるそうですよ。

土や炭を雪の上にまくと、雪は融けやすくなります。

 

要するに雪の

反射率を下げて熱を吸収しやすくする

ということですね。

 

これは炭に限らず、色が濃い(黒い)も
のならなんでもよいので、豆炭や練炭な
どの燃え尽きた灰を粉にしたものでもOKです。

 

燃えがらを袋に入れてカナヅチで叩けば
それで融雪剤のできあがりです。

 

但し、曇天では融かす効率は当然落ちる
でしょうし、

周囲が汚れるという欠点もあります。

 

とはいえ、ほとんど費用がかかりません
ので、試してみる価値はありそうですね。

 

シートやポリ袋

この方法は、前項の炭をまくのと同じ理
屈で、色の濃いポリ袋に雪を入れ、太陽
光の当たる場所に置いておくというものです。

 

袋は一昔前の黒いゴミ袋でも、あるいは
他の色の濃い袋でもかまいません。

 

その際には袋の下部に穴を開けておけば、
そこから融けた水が流れ出るので手間いらずですね。

 

コツは溶け出た水を雪に吸われないよう、

袋の回りの水はけをよくしておくことです。

 

せっかく融かしたのに、夜の間にまた
凍ってしまっては意味がありませんからね。

 

また、ブルーシートなどの色の濃いシー
トを、雪の上に広げておくのも、それな
りの効果はあります。

雪面に穴を開ける

雪面に穴を開けるのも意外に効果があります。

 

これは単に雪の表面に穴を開けるだけの
ことですが、温かい空気に触れる表面積
が増え、早く溶けていくそうです。

 

シャベルなどを使って雪を1か所に集め、

雪の塊にスコップで何箇所も穴を開けます。

 

特にある程度雪が融けてきて、地面が僅
かに見え始めた頃には、相当な効果があります。

 

もしスペースがあれば、日の当たる広い
場所に雪を撒き散らせておけば、さらに
雪解けは早くなります。

 

雪かき全般の注意としては、慣れていな
い人は除雪作業で腰を痛めたりすることもあります。

 

決して無理はしないことですね。

 

又、いきなり屋根から雪が落ちてくるこ
ともありますので、これにも要注意です。

 

ツルハシ

こちらは凍った雪を融かすのではなく、
力業でたたき割る方法です。

 

これには工事用のツルハシを使いますが、

頑固に凍り付いた凍雪には効果は絶大です。

 

ガチガチに凍り付いた凍雪も、ツルハシ
で砕いておけば融けるのもずっと速くなります。

 

登山用のピッケルでもOKですが、ちょっ
ともったいないような気もしますね。

 

昔は、「ピッケルは山男の魂」などと言
われていたので、それを都会の雪かきに
使うなど、もってのほかと言われそうです。

 

ツルハシの使い方はピッケルと同じで、
力任せに叩くのではなく、ツルハシ

自体の重量を利用して振り下ろすようにします。

 

但し、このツルハシも雪が降った直後に
は売り切れになることが多いそうです。

 

日陰などで凍りやすい所では、あらかじ
め雪の降る前に用意しておいた方がよさそうですね。

 

又、氷割専用除雪器具というものもあります。

 

これはいかにもごつい!としかいいよう
のない、氷を割るためだけに作られた除雪道具です。

 

結び

冬場に積もった雪が凍ってしまうと、こ
れを融かすのは中々大変な作業になります。

 

特に降雪の後で好天になり、気温が上が
ると余計に凍結しやすくなってしまいます。

 

その凍った雪を融かすには、

塩や炭、あるいは融雪剤を使う方法、

シートやポリ袋を使う方法などがあります。

 

しかし、塩や融雪剤には塩害が発生する
という欠点もあります。

 

それと、お湯をかけるのは禁物で、余程大
量に熱湯を使わない限り、すぐ凍結して
しまい、逆効果になります。

 

又、雪面に穴を開けると雪解けは早くな
りますし、そんな悠長な方法ではまに合
わない時には、ツルハシでたたき割るという荒技もあります。

 

いずれにしても、凍り付いた雪は本当に
始末に負えませんね。