夏休みにアミとカゴを持って、暑さも忘れて虫取りに精を出したという想い出は、大半の人にあると思います。

 

セミやクワガタを捕ったり、飼育したりした人は多いでしょうし、むしろ全く虫に関心のない子供の方が少数派でしょう。

 

子供はなぜ虫が好きなのか、時々不思議に思ったりもしますね。

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今回は、セミの羽化(脱皮)について、飼育や観察の途中でセミが羽化に失敗する理由や確率、それにその対策法などを調べてみました。

セミが羽化を失敗する理由と確率は?

 

セミの羽化(脱皮して成虫になること)は、セミにとっては大変な難事業のようですね。

 

人間で言えば成人式、いや昔のイニシエーション(通過儀礼)にあたる、これを越さなければ一人前(成虫)になれないという、人生ならぬセミ生最大の儀式なのです。

 

それだけに難易度も高く、セミの生命が終わるのもこの時が一番確率が高いそうですよ。

 

セミの一生は、卵-幼虫-脱皮-成虫の順で、不完全変態をするのです。

 

卵は夏の間に木の枝に産みつけられ、翌年の春から夏にかけて孵化します。

 

生まれた幼虫は土の中へもぐりこみ、数年間木の根から樹液を吸って、脱皮を繰り返しながら成長していきます。

 

アブラゼミの場合は、4~6年間で4回ほどの脱皮をするのですが、この期間や脱皮の回数は種によって異なります。

 

やがて用意が調うと、地中から出て木の枝に登り、そこで羽化となるわけです。

 

この後は成虫となり、わずか数週間の命を終えます。

 

儚いものですね・・・

7月から8月にかけての黄昏時に、羽化は始まりますが、羽化が完了するには1~2時間かかり、その間は全く無防備のままで、動くことも逃げることもできません。

 

幼虫のように安全な土の中にいるわけでもなく、成虫のように飛んで逃げることもできないのです。

 

セミの一生で最も危険な時なのも当然でしょうね。

しかも、

羽化は失敗する率が非常に高い

のです。

一説では、失敗する率は、実に

60%以上!

とさえ言われています。

羽化を終えて成虫になり、セミ生を全うできる確率は、全体のわずか三分の一強ということになりますね。

こちらがセミの羽化の動画です。

そこでなぜセミが羽化に失敗するのか、その理由を調べて見ました。

羽化に失敗する理由は、以下のようなものが多いようです。

  1. 体力が続かなかった
  2. 地面に落下するなどの衝撃を受けた
  3. 天敵に襲われた
  4. 羽化する場所まで到達できなった
  5. 人間に触られるなどの大きなストレスがあった
  6. 周囲が明るかった
  7. 風や動物の通過などの自然現象によるショック

体力が続かなかった

1の体力が続かなかったというのは、意外に多いようです。

 

羽化というのは、セミの一生の中でももっとも過酷な難事です。

 

まずある程度の高さ(およそ地面から60センチ前後)まで、木の枝をよじ登らなければなりません。

 

人間に例えると、赤子に100メートルの高さまでよじ登れというようなものでしょうか。

 

又、羽化の最中には、爪でからに掴まったまま何度も身体を揺すり、脱皮しようともがいています。

 

セミの幼虫からみれば、大変な重労働だと思いますよ。

 

そのため体力が続かず、あえなく死んでしまう、というケースが多いそうです。

地面に落下するなどの衝撃を受けた

地面に落下するなどの衝撃を受けるというのは、セミにとって致命的です。

 

ちょっと落ちるという、ごく軽い衝撃でさえ、羽化の最中には大ショックで、あっけなく死んでしまいます。

 

鵜渦中のセミの幼虫は、つかまっている部分は爪の先だけです。

 

風が吹くとかのちょっとした衝撃でも簡単に落っこちてしまうのです。

天敵に襲われた

セミの天敵は、クモ、ハチ、鳥など多数存在します。

しかし、セミにとって、いや全ての生き物にとって最大の天敵は、

人間です!

人間は身勝手で残酷で、他の生き物の生活や生命のことなど少しも考えません。

面白いからといって、羽化の最中もおかまいなく、セミを家に持って帰ったりします。

始末に負えませんね。

これらの天敵に、身動きもならず無防備な羽化の最中に襲われたら、まずセミは助かりません。

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羽化する場所まで到達できなった

セミが羽化する場所は、どこでもよいというわけではありません。

羽化に適当な木などまで、行き着けない幼虫もかなりあるようですね。

地中から出る時に、木の根なとが邪魔になり、地上に出られない幼虫もありますし、出ることは出たものの、手近なところに木や葉がないという場合もあります。

さらには、人間の人工物、たとえばコンクリートの溝や古タイヤの切れっ端が邪魔になり、行き着けないということもあるようですね。

人間に触られるなどの大きなストレスがあった

羽化の途中で人間に触れたり、動かされたりすることも、セミの幼虫に取っては大きなストレスになり、羽化できなくなってしまう、というケースもよくあります。

セミの羽化などは、自宅に持ち帰ったりせず、そのまま自然の中で見るようにすべきだと思います。

周囲が明るかった

周囲が明るすぎたりすると、羽化が始まらないというケースも報告されています。

風や動物の通過などの自然現象によるショック

瞬間的な強い風で木から振り落とされたり、近くを通りかかった生き物が木の枝に触れて、そのショックで羽化がストップということもあるそうですね。

このように、セミの羽化というのは非常にデリケートで、人間から見るとなんでもないことで、羽化失敗ということがかなり多くあります。

こちらはセミの羽化失敗の動画です。

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セミの羽化を失敗させない対処方とは?

羽化を失敗させないようにするには、前項で書いた失敗する理由の内容が、起こらないようにすることです。

 

たとえば、暗いからといってやたらにフラッシュをたいたり、明るいライトで照らしたりすることは、幼虫にとっては大きなストレスになります。

 

又、どうしても家の中で観察したい場合でも、以下の点を注意することで多少なりとも羽化の確率を上げることが出来ます。

  1. フラッシュの使用はできるだけ控える
  2. 部屋を明るくしない
  3. 虫カゴはなるべく大きなもので
  4. 気温と湿度を適度に保つ
  5. つまんだり触ったりすることは、できるだけ控える

 

要は幼虫にストレスを与えず、できるだけ自然の環境に近くするということですね。

 

セミの幼虫は夜間に羽化するので、室内が明るすぎると昼間と勘違いしてしまいます。

 

温度と湿度も低すぎると、自然の状態とはかけ離れてしまいますので、人間が暑いのは我慢しましょう。

 

狭い虫かご(飼育ボックス)もストレスの原因になるようですので、カーテンに掴まらせるとか、庭の植木にとまらせるなどした方がよいでしょう。

 

更には、強くつまんだりつついたりも厳禁です。

 

移動させる場合でも、ごく静かに柔らかく、つまむと言うより「虫さんにとまってもらう」という感覚であつかった方が失敗は少ないでしょう。

最後に、セミの成虫は飼育が非常に難しいそうです。

ですので、無事羽化できたら自然の中に放してやった方が良いでしょうね。

結び

夏休みにセミやクワガタをとって、飼育したという記憶を持っている人は、かなり多いようですね。

生き物、特に昆虫は人間の生活スタイルとはかけ離れた環境に住んでいますし、その飼育は中々難しいものがあります。

今回は、その飼育で失敗しないために、セミの羽化(脱皮)について、飼育や観察の途中でセミが羽化に失敗する理由や確率、それにその対策法などを書いてきました。