年の暮れといえば、年越し蕎麦、紅白歌
合戦、除夜の鐘と続きますね。

 

年が明ければ、お雑煮、初詣という順に
なります。

 

いずれも日本人の生活では定番中の定番
なのですが、ふと考えると何故そうなる
のか、わからないものも多いようです。

 

その一つが除夜の鐘で、
除夜の鐘はいつ打ち始めていつ終わるのか、
それをはっきり言える人は少ないのではないでしょうか。

 

また、除夜の鐘はなぜ打つのか、その理
由や鐘を打つ数はなぜ108なのか、これも
すぐ答えられる人は少ないでしょう。

 

そこで今回は、除夜の鐘の打ち始めと打
ち終わりの時間や、鐘を打つ意味、108
回の理由などを調べてみました!

除夜の鐘は何時から何時まで?

除夜の鐘の音が響き始めると、「ああ・・・
今年も終わりだな・・・」という感傷をひ
しひしと感じますね。

 

除夜の鐘のつき始めと付き終わりの時刻
は、お寺によりさまざまで、

一律の決まりなどはありません。

 

しかし、どこのお寺でも、おおむね大晦
日の夜から元旦の早朝(深夜)にかけて、
打ち鳴らされます。

 

また、除夜の鐘は仏教の行事なので、神
社では鐘は打ちません。

 

まず打ち始めの時刻ですが、
紅白歌合戦が終わる頃

というお寺が多いようですね。

 

「ゆく年くる年」が始まるあたりです。

 

そして、107回目までは旧年の間に撞き、
最後の108回目は新年になってからつく、

というやり方が大半です。

 

時間的には、23:45頃から始まるようです。

 

打ち終わりの108回目は、新年になった
直後ですから、1時間15分で108回打つ
という計算になります。

 

75分で108回は、鐘1回を41秒強で打たな
ければなりません。

 

1分あたり1.4回のペースです。

 

木魚なら1分にその十倍の14回でも、楽に
打てますが、鐘をつく撞木はでかくて重い
のです。

 

それを41秒ごとに1時間以上
続けるのは、相当な重労働でしょうね。

 

そのため、24時には終了するという寺院
では、鐘のつき始めを早めにして、
22:40頃から始めることもあるようです。

 

なぜ、最終回の108回目の鐘は24時過ぎに
うつのかは、新しい年が煩悩に煩されない
ようにという願いからです。

 

多くの寺では、誰でも無料で除夜の鐘を
つくことができますが、著名な寺院には
希望者が殺到します。

 

そのため、事前に整理券を入手しなけれ
ばなりません。

 

また、有料の場合は、参拝者には破魔矢
や甘酒、福豆などがふるまわれることも
あるそうですよ。

 

鐘を打つ希望者が多数の場合には、108回
以上つく寺院もありますし、108回分で終
わりという寺院もあります。

 

ですので、もし除夜の鐘うちを希望する
場合は、事前にお寺さんに確認しておくべきでしょう。

 

除夜の鐘の有名どころとして、京都の
知恩院があります。

 

知恩院の除夜の鐘の打ち方は、非常に
ダイナミックという定評があります。

 

上半身を90度近く後に倒し、全力で鐘
をうつのです。

 

以下はそんな知恩院の鐘うちスケジュールです。

 

22:00 参詣者入口開門

22:40 除夜の鐘開始

23:00 参詣者入口閉門

0:20 除夜の鐘108回目

 

尚、日本三大鐘楼というものがあり、
京都方広寺、京都知恩院、奈良東大寺の
3つだそうです。

 

また、三名鐘となると、「平等院」、
「三井寺」、「神護寺」となっています。

大晦日に除夜の鐘をうつ理由は?

ではなぜ大晦日に除夜の鐘をうつのでしょうか。

 

除夜の鐘の「除夜」とは、大晦日の夜の
ことを指します。

 

この『除』には
「古いものを除き捨てて新しいものに移る」

という意味があります。

 

大晦日の夜は、古い年から新しい年への
移りかわりの夜ですから、除夜となるわけですね。

 

除夜の鐘は、
同じ仏教国でも他の国では行われません。

 

中国の宋の時代に中国から伝承したとさ
れていますが、中国の場合は新年を祝う
ための鐘で、日本の除夜の鐘とは意味が違います。

 

除夜の鐘は
日本独自の風習なのです。

 

では大晦日の日に除夜の鐘をうつ理由は
なんなのでしょうか?

 

仏教の教えでは、煩悩(ぼんのう)を祓う
ことで、解脱(げだつ)の境地に達する
ことができるとされています。

 

煩悩とは、身心を悩まし苦しめ、煩わせ、
汚す精神作用の一切を言います。

 

解脱とは、
苦しみから抜け出し悟りを開く
ことを言います。

 

解脱は仏教での理想の状態なのですが、
長年厳しい修行を積んだ僧侶でさえ、
中々達することはできません。

 

まして我々色慾物欲金欲にまみれた凡人
には、とても到達不可能な境地ですよね。

 

しかし、除夜の鐘には
「人の心にすくう煩悩を祓う」

効果があるというのです。

 

そのため、除夜の鐘をついて、われら凡
人共の煩悩を祓い清めて、新しい年を迎
えようというのが、除夜の鐘の意味なのです。

 

この除夜の鐘信仰が広まるうちに、次第に
拡大解釈されていきます。

 

除夜の鐘を撞いた人だけでなく、

除夜の鐘の音を聞いただけでも効果がある

とされるようになっていったのです。

 

除夜の鐘の意味や回数の意味は?

除夜の鐘の元は、中国の宋で始まった
鬼払いの風習
だったとも言われています。

 

宋は、日本では平安時代から鎌倉時代あ
たりの王朝ですが、鎌倉時代に禅宗と共
に日本へ伝わったそうです。

 

宋では鬼払いには、「弱く撞くこと18回、
強く撞くこと18回。それを3回繰りかえす」
とされていました。

 

叩き方2種類を18回、これを3回繰り返すと

2×18×3

で108回となります。

 

前項で書いたように、除夜の鐘をつく理
由は、人の心にある煩悩を祓うためです。

 

仏教では、人には108の煩悩があるとされています。

 

その煩悩には、

  • 肉体的精神的欲望
  • 怒り
  • 執着
  • 猜疑
  • 無知
  • 誤った見解
  • 慢心

など多数があります。

 

これらの煩悩には諸説あり、その中には

四苦八苦(4×9+8×9)=108

などという説もあります。

 

まあ、これは単なる俗説の一つでしょう。

 

あえていえば、108というのは「非常に
多数ある」という位の解釈で良いのかも
知れませんね。

 

そして鐘の音については、
苦しみや悩みを断ち切る力が宿っている

と考えられていました。

 

これが除夜の鐘として煩悩を払うという
ことに繋がったのでしょう。

 

そのため、鐘の銘の部分には
鐘の功徳が記されているのです。

 

また、鐘の周囲にはいぼいぼのような、
多数の突起があります。

 

これは「乳(ち)」というもので、大半
の鐘についていますが、

この数も108つあるそうですよ。
日本の三大名鐘

梵鐘には、「日本三大名鐘」と呼ばれる
梵鐘があります。

 

これは全て関西にあるのですが、奈良か
ら京都にかけては、日本の文化の発祥地

ですから、当然かも知れませんね。

 

京都方広寺の大梵鐘

方広寺は京都東山区にある、天台宗のお寺です。

 

豊臣秀吉が作らせた、廬舎那仏があるこ
とでも有名なお寺です。

 

重要文化財になっている
「国家安康の鐘」が、その名鐘です。

 

この「国家安康」に徳川家康がイチャモ
ンをつけ、豊臣家を滅ぼすための口実

にしたことでも知られています。

 

その大きさは、直径2.8m、高さ4.2m、
重さはなんと82.7トンもあります。

 

これは三大名鐘の中でも最大なのです。

 

大晦日の除夜の鐘は、初回は住職が撞き
ますが、その後は

参拝者が撞くことができます。

 

天下の名鐘を実際につく、千載一遇の機会ですよ!

 

京都知恩院の大梵鐘

これも京都東山区にある、
浄土宗の総本山である知恩院です。

 

創立者は、浄土宗の生みの親、
あの法然です。

 

京都というより、日本でも有数の知名度
を誇り、こちらも同じく重要文化財です。

 

釣鐘の大きさは高さ3.27m、直径2.73m、
重さは約70トンあります。

 

こちらはつくのは僧侶のみで、残念なが
一般参拝者はつくことはできません。

 

奈良東大寺の大鐘

これはもう知らない人はいない、東大寺です。

 

元祖日本仏教とさえ言えるお寺ですね。

 

東大寺は境内にあるものの大半が国宝
いう、空恐ろしいお寺です。

 

当然この鐘も国宝に指定されています。

 

高さは3.86m、直径は2.76m、
重さは26.4トンあります。

 

重さは他の二つに比べると軽いのですが、
鐘を撞く棒、撞木(しゅもく)の長さは
一番長いのです。

 

なんと4.5m!もあります。

 

そのため鐘の撞き方も特殊です。

 

撞木に8本の綱をくくりつけ、

先着順8名ずつその綱を引いて撞く

そうです。

 

8×108=982名です。

 

これならあたるチャンスも多そうですね!

結び

除夜の鐘は、23:45頃から24時頃にかけて鳴らされます。

 

そして、107回目までは旧年の間に撞き、
最後の108回目は新年になってからつく、

というやり方が大半です。

 

なぜ大晦日に除夜の鐘をうつのかは、

『除』「古いものを除き捨てて新しいものに移る」

という意味があるからです。

 

そして、古い煩悩を捨て、新しい年には

解脱(げだつ)の境地に達するように、
というのが、除夜の鐘の意味なのです。

 

今年の年の暮れは、除夜の鐘に耳を澄ま
せ、解脱の境地に達しましょう!