私は若い頃から山登りが大好きで、その延長線として渓流釣りもよくやりました。

 

イワナがメインで、渓流の源流近くで40センチクラスの大物を釣り上げたこともありましたね。

 

その時は、膝ががくがくし、心臓がばくばくとするほど嬉しかったのを、今でも覚えています。

 

イワナもヤマメも食べて非常においしい川魚ですが、味はヤマメの方がおいしいと思いましたよ。

 

イワナはやや泥臭い感じがするからです。

 

ヤマメを釣ってすぐに塩焼きにしたものは、絶品でしたね。

 

しかし、全て焼いたもので、刺身は一度も食べたことがありません。

 

寄生虫が怖いからです。

 

ということで、今回はイワナには寄生虫はいるのか、どんな寄生虫で危険性はどの位なのか、刺身で食べる時の注意と対処法などを紹介します!

 

イワナにいる寄生虫と、その寄生虫が体内に入るとどうなる?

イワナといえば、渓流の、それも源流近くの清冽な水に住む魚なのですが、そんなきれいな環境に住む魚でも寄生虫はいるものなのでしょうか?

それがいるのです!

 

それが川魚の生は食べないという理由なのですが、水の清さとは関係なく、イワナでもヤマメでも寄生虫はいます。

 

川魚に限らず、海の魚でさえ寄生虫はいる場合もあるのです。

 

では、イワナにはどんな寄生虫がいるのでしょうか。

 

尚、寄生虫がいるといっても、どんなイワナにでも全ているというわけではありません。

 

いる場合もある、という意味です。 念のため・・・

 

尚、画像ですが、あまりにもグロなものが多く、掲載は憚られます。

 

どうしても見たいという方は、名称で検索すればすぐヒットしますが、後の食欲のためにも見ない方が良いと思いますよ。

以下がイワナの寄生虫の一覧です。

  1. 横川吸虫(ヨコガワキュウチュウ)
  2. 顎口虫(ガッコウチュウ)・有棘顎口虫
  3. 肝吸虫(カンキュウチュウ)
  4. 広節裂頭条虫(コウセツレットウジョウチュウ)
  5. アニキサス

横川吸虫(ヨコガワキュウチュウ)

横川吸虫(ヨコガワキュウチュウ)という名称は、横川定という医学者が台湾のアユからこの寄生虫を発見したことからのものです。

鮎や白魚につくことが多いのですが、イワナやヤマメにも寄生します。

釣ったイワナにホクロのような黒い点々があったら、横川吸虫(ヨコガワキュウチュウ)の可能性大です。

日本の川魚の寄生虫の感染報告は、1位はアニサキスですが、それに次いでこの横川吸虫(ヨコガワキュウチュウ)が第2位となっています。

寄生されると嘔吐や下痢などがありますが、幸い症状は軽い場合が大半で、ほっておいても治る場合もあるとか。

これは横川吸虫の寿命は短いので、重篤な症状が出る前に死滅してしまう、ということのようですね。

顎口虫(ガッコウチュウ) 有棘顎口虫

日本顎口虫には有棘顎口虫、ドロレス顎口虫、剛棘顎口虫などの種類があり、川魚の寄生虫の中では、最も怖いものの一つです。

その幼虫はドジョウやブラックバス、泥鰌、ヤマメ、フナ、ライギョなどの筋肉にいて、それらの魚を生で食べると人間に感染します。

こいつがイワナにいることはそれほど多くはないらしいですが、それでも皆無ではありません。

胃に入ると胃を食い破り、人間の体内のあちこちを動き回りますが、その際に強いむずかゆさを感じるそうです。

しかも、幼虫が皮膚まで出てくると、皮膚の表面に腫れやこぶのようなものができます。

怖いですねえ、

まるでエイリアン

みたいじゃないですか。

これらの症状が出てくるのは、食べてすぐではなく1ヶ月近くたってからで、その分手当が遅くなるわけですね。

特に怖いのが、幼虫が侵入した部位によっては、大変なことになります。

過去にも眼に侵入して失明したとか、脳に達して脳障害が発生した

とか、怖い事例が幾つかあります。

肝吸虫(カンキュウチュウ)

この肝吸虫も、川魚の寄生虫の中では恐ろしい存在です。

フナ、コイ、タナゴ、ワカサギなどのウロコや筋肉などに寄生していますが、人間の体内に入ると、幼虫は1ヶ月程度で成虫になります。

そして、人間の胆管に寄生して卵を産み、

成虫は20年以上生きていることもある

そうですよ。

感染したまま放置しておくと、肝硬変になるのですが、

大半のケースでは自覚症状がほとんどなく

希に腹部不快感、食欲不振、下痢などの症状が出る程度のようで、気がつくのが遅くなるのです。

広節裂頭条虫(コウセツレットウジョウチュウ)

広節裂頭条虫(コウセツレットウジョウチュウ)とは、サナダムシの一種です。

最大では全長5~10メートル!

にもなるそうで、グロの代表格ですね。

頭には一種の口のような器官があり、それで腸の粘膜に吸着します。

川魚の広節裂頭条虫の場合は、それほど重篤な症状にはなりませんが、そうはいってもこれが体内にいると思うとねえ・・・

広節裂頭条虫が体内に入ると、まず小腸の上部に吸い付き、1日に5-20センチ!ずつも成長してゆき、最終的には数メートルの長さになります。

これに寄生されても自覚症状はほとんどないというのもやっかいですね。

アニキサス

アニキサスは、魚の寄生虫では代表的なものです。

但し、マスには多いのですが、イワナにはほとんどいません。

アニサキスに寄生されると、腹部(胃)に強い痛みを感じますが、すぐに収まり、又数分すると痛くなるという、間欠的な痛みが発生します。

この胃の痛みは、寄生虫そのものによるものではなく、アレルギーによるものらしいですね。

この痛みはほっておいても数日でなくなります。

アニキサスは人間の体内では生息できないからです。

ただ、腸に達した場合は、腸閉塞などが起こる場合もあります。

ここには挙げませんでしたが、サルミンコーラというのもあります。

但しこれは全く無害ですので割愛しました。

それにしても、これらの寄生虫は、被害も怖いですが名称も不気味でおぞましいですね。

顎口虫とか肝吸虫とか広節裂頭条虫とか、名前を見ただけでブルってしまいます。

 

イワナを刺身で食べるときに気をつけることは?

イワナを刺身で食べるときに気をつけることは、やはり鮮度と寄生虫です。

天然のイワナを釣ってすぐ食べる場合には、鮮度は問題ありませんが寄生虫には要注意です。

川の魚にも海の魚にも寄生虫はいます。

「養殖魚に寄生虫はいない」とはかぎりませんし、「釣ってすぐなら安心」とも言えません。

「きれいな川の魚は安全」とは言い切れませんし、「酢でしめれば寄生虫は死ぬ」ということもありません。

つまり、イワナを始め川魚の生食には、かなりの危険性があります。

 

寄生虫には肉眼ですぐ確認出来るもの、たとえば広節裂頭条虫のように、長さが数メートルにもなるものもあります。

 

しかし、大半の寄生虫はそんなに大きくないので、肉眼では確認できない場合が大半でしょう。

 

私は川魚の生食(刺身)は決して食べませんが、どうしても食べたい場合には、以下のような方法があります。

 

但し、これで寄生虫の感染を確実に予防できるかは疑問です。

 

多少感染の確率が減る程度かと思われます。

釣ったらすぐしめる

釣ったらすぐしめることで、鮮度は保たれます。

しかし、寄生虫には効果は期待できません。

よく洗う

流水できれいに洗い、身には寄生虫がいないか確認します。

肝などは取る

肝は完全に取り去ります。

一旦冷凍する

食べる前に数時間、できれば2.3日冷凍庫で冷凍します。

これはかなり効果があります。

冷凍することによって、寄生虫が死滅するからです。

ただ、これも100%の効果は期待できません。

ともあれ、イワナなどの川魚の刺身は、美味ではありますが、寄生虫感染の危険性はついて回ります。

養殖ものは比較的感染の確率は低いと思いますが、これも100%という保証はありません。

100%寄生虫に感染しない方法は、私は知りません。

ですから、川魚の刺身を食べる時は、その危険性と味覚とを天秤にかけて、自己責任でどちらを取るかを判断してください。

 

イワナの寄生虫に感染した場合の対処法は?

イワナの寄生虫に感染した場合の対処方です。

幸い、重篤な症状を引き起こすような寄生虫は、イワナには少ないのですが、といって安心もできません。

横川吸虫(ヨコガワキュウチュウ)

最高最大の対処法は、焼く煮るなどの加熱処理です。

これをきっちりやっていれば、寄生虫感染の恐れはまずありません。

治療法としてはプラジカンテル(ビルトリシド)という抗寄生虫薬があります。

又、あやしいと思ったら、早めに下剤を飲んで、胃と腸の中のものを全て出してしまう、という手もあります。

顎口虫(ガッコウチュウ)・有棘顎口虫

アルベンダゾールやイベルメクチン、アルベンダゾールなどの薬による治療法があります。

又、幼虫をピンセットなどで直接取り出す外科的治療法もあります。

いずれもかなり大掛かりな治療になる事がありますので、要注意ですね。

肝吸虫(カンキュウチュウ)

プラジカンテル(ビルトリシド)などの薬を使います。

肝硬変になってしまった場合などは肝硬変の薬を飲みますが、予後はよくないらしいですね。

検査方法としては、検便検査や胆汁中の虫卵の検出などで検査ができますが、その他にも幾つかの検査があるようです。

思い当たる節があれば、早めに検査してもらった方がよいでしょう。

広節裂頭条虫(コウセツレットウジョウチュウ)

治療法はプラジカンテル(ビルトリシド)という抗寄生虫薬を使います。

又、幼虫をピンセットなどで直接取り出す外科的治療法もあります。

こちらはかなり巨大な寄生虫ですので、この方法は有効でしょうね。

アニキサス

アニサキスには特効薬は、今の所ありませんが、症状自体が軽いため、ほとんどが絶食して点滴を打つ程度の治療で回復します。

胃アニサキスの確実な駆除方法は、開腹あるいは内視鏡手術で幼虫を摘出するのが一般的です。

プラジカンテル(商品名・ビルトリシド)という薬品が良く出て来ますが、これはドイツのバイエルが開発した寄生虫の特効薬です。

それまでは有効な薬品がなかった寄生虫にも効果があり、プラジカンテル(ビルトリシド)の登場後は、寄生虫感染による重篤症状はぐっと少なくなりました。

 

結び

ヤマメが渓流の女王なら、イワナは渓流の王様というところでしょう。

イワナは魚としては最源流に住んでいて、その上流となるとサンショウウオしかいません。

サンショウウオは名前は『ウオ』ですが、両生類であり、魚ではないのです。

イワナは釣って面白く、食べておいしい魚ですが、寄生虫がいることもあり、刺身などの生食はやめておいた方が無難でしょう。

今回はそのイワナに寄生虫はいるのか、その危険性や刺身で食べる時の対処法などを紹介いたしました。