ドライアイスでやけどをしたという人がかなりいますね。

 

ドライアイスのやけどは、
正しくは火傷ではなく凍傷なのですが、
やけどに似た痛みがあるため、
やけどと通称されています。

 

最近はアイスクリーム店などでも
持ち帰り用に
ドライアイスを入れてくれますが、
それをうっかり手で掴んでしまった
などという事故が時々起こります。

 

そこで今回は、
ドライアイスでなぜやけどをするのか、
その理由を調べてみました。

 

又、ドライアイスでやけどしたときの
処置や対処法と、
やけどをしないためには
どうしたらよいのかなどもあわせて紹介いたします!

ドライアイスでなぜやけどをするの?

ドライアイスでのやけどとは

ドライアイスに触ると、一瞬

熱っ!

と感じます。

 

それでドライアイスによるやけどという
言葉が定着したのでしょう。

 

しかし、この熱いというのは、
単なる脳の錯覚で、
実際にはドライアイスは

マイナス78.5℃

という超低温なのです。

 

触れた部分の皮膚や
その下の細胞組織が、
一気に凍結してしまい
その傷みを脳はやけどの痛みと
勘違いするわけですね。

 

冬期やヒマラヤなどでの登山では、
凍傷の危険が非常に高く、
しかも登山での凍傷は重度の場合が
多いので、しばしば手足の指の切断となったりします。

 

凍傷の障害の程度は、
このようになっています。

  1. 第1度:皮膚が痒くなったり赤く腫れたりする
  2. 第2度:皮膚の感覚がなくなり、水疱が生じてくる
  3. 第3度:皮膚が壊死して白くなり、後にはどす黒く変色する

第3度では手足の切断が必要となります。

 

ドライアイスによる凍傷は、
そこまで重度の場合は
ほとんどありませんが、
それでも十分注意する必要があります。

 

ドライアイスの特性

ドライアイスは固体化した炭酸ガス(二酸化炭素)です。

 

ドライアイスの特性はこのようなものです。

 

マイナス78.5℃という極低温の物質で、
気体化しやすく膨張します。

 

冷却能力は同容積の氷の約3.3倍もあります。

 

気体化した二酸化炭素は。
低い所にたまります(大気より比重が重い)。

 

ドライアイスに触れるとどうなる?

ドライアイスは-マイナス78.5℃と極低温です。

 

ドライアイスを素手で直接触ると
指が急激に冷やされて血行障害になります。

そのまま触れていますと、その部分が凍って凍傷になります。

 

軽度(第1度)では皮膚の感覚がなくなり、
白くなって、
温めると赤くなり腫れて痛みます。

 

中度(第2度)になると、

皮膚の感覚がなくなり、水疱ができます。

 

重度(第3度)の場合は
皮膚が壊死して白くなり、壊死に至ります。

 

この場合は手指の切断となります。

凍傷で跡が残らないようにするには

まず第一に
最初の手当(40度程度のぬるま湯に浸す)
を確実に行うことです。

 

ドライアイスを数秒触った程度なら、
第1度凍傷のごく軽い段階なので、
これだけやれば、傷跡の心配はほとんどありません。

 

しかし、第2度となると
瘢痕が残る可能性が高いです。

 

不幸にして傷跡が残ってしまった
場合には、後の手当として

 

  • 保湿を確実に行う
  • ビタミンC配合の美容液を患部に塗る
  • できるだけ紫外線に当てない

などの対策があります。

 

それでも跡が残る場合は手術が必要でしょう。

 

手術には

  • 症状が軽い時は、凹凸のある皮膚表面を削りとる
  • 範囲が狭い場合は、患部の皮膚を切除して縫う
  • 広範囲の時は皮膚の移植が必要
  • レーザー照射治療(美容皮膚科などの場合)

などがあります。

 

皮膚の移植の場合は、
跡が残りますが、大半は半年から1年ほどで消えます。

 

凍傷、低温やけど、しもやけの違い

凍傷は上記のように、
低温による皮膚組織の破壊がおこります。

 

低温やけどは、
瞬間的にはやけどしない程度の
高温状態の持続による軽度のやけどです。

 

しもやけは、
5度程度以下の気温の場所に
長時間いると、手足の末端(指など)が
膨れて硬くなったり、痒くなったりします。

やけどしたときの処置や対処法は?

ドライアイスで凍傷になった時の処置は?

登山で凍傷になった時と同じ治療法をします。

 

体温より少し高い温度(40度前後)の
ぬるま湯に指を浸します。

 

この凍傷治療については、
1900年代の後半までは、
いきなり温度を上げず、
ゆっくりと少しずつ温度を上げるのが良いとされていました。

 

しかし、その後できだけ速く
適温(40度程度)のお湯に浸すのがよい
とされるようになったのです。

 

又、ドライアイスに
指が張り付いてしまった場合は、
無理に剥がそうとする
皮膚が破れますので、
お湯に浸して暫くしてから静かにはがします。

ドライアイスで凍傷になった時の薬は?

赤色ワグラス 軟膏

成分・分量
チコニイル(ごま油673.3g、ごま油・シコン・トウキのごま油の抽出エキス572.2g):1245.5g、ミツロウ:1004.5g

効能・効果 急性・慢性湿疹、
おむつかぶれ、しもやけ、股ずれ、
カミソリ負け、火傷、凍傷、ひび、あかぎれ、
外傷、あせも、ただれ、くつずれ

 

成分と効能書きでわかるように、
この薬は直接凍傷を治す薬ではありません。

 

『直接凍傷を治す薬』は、
おそらく存在しないと思いますよ。

あくまでも凍傷になった後に、
患部を保護してできるだけ速く完治するようにする薬です

コーフル軟膏

古くから定評のある
化膿性皮膚疾患治療剤です。

 

これも直接凍傷を治すものではなく、
予後の回復増進の薬です。

 

強い殺菌力を持つアクリノールを主剤に
ビタミンA・D2を配合しています。

効き目は確かにありますが、
塗った後がかなりベタベタしますので、
余分な部分やはみ出した所は、
拭き取るなどしておいた方がよいでしょう。

太乙膏

皮膚疾患治療軟膏の太乙膏です。

 

これも凍傷の予後用の軟膏です。

効能・効果
湿疹(くさ)、やけど、とびひ、ひび、
あかぎれ、ただれ、きりきず、擦過傷、
靴ずれ、かみそりまけ、凍傷

成分(100g中)
酸化亜鉛 10g
ホモスルファミン 0.5g
dl-カンフル 0.5g
添加物・・・白色ワセリン、モクロウ、オリブ油

コーチゾン雪の元

こちらのコーチゾン雪の元は、
上記の製品とは少し違い、
主として凍傷後のかゆみをとめる軟膏です。

 

 

主成分の副腎皮質ホルモン剤
ヒドロコルチゾン酢酸エステルは、
かゆみには非常に有効ですが、
コーチゾンだけに使用には充分な注意が必要です。

 

水痘(水ぼうそう)、みずむし・
たむし等又は化膿している患部には
絶対に使用しないこと、
又長期連用しないも重要です。

ドライアイスでやけどをしないためにはどうする?

ドライアイスでやけどをしないためには
どうしたらよいでしょうか?

 

これはもう、

直接素手で触らない

ことにつきます。

 

手袋をする、ピンセットなどを使う、
などすれば、ドライアイスも安全に扱うことが出来ます。

 

アイスクリームや冷凍食品の持ち帰りでは、
保冷剤としてドライアイスが入っている
場合が多いので、
これらの食品の扱いには気をつけてください。

 

また、ドライアイスは
密閉容器に入れますと気化の際に膨張し
爆発の恐れがあります。

 

もう一つ、車の中などの狭い所で
ドライアイスを扱う場合は、
気化の際には二酸化炭素(炭酸ガス)
となり、酸欠の恐れがあります。

 

必ず広い場所か換気の良い所で
扱うようにして下さい。

 

結び

ドライアイスでやけどをしたという人がいます。

 

これは正確には、
ドライアイスでの凍傷のことで、
いわゆる『火傷』とは全く違います。

 

従って必要なのはやけどの手当ではなく
凍傷の手当なのです。

 

凍傷の手当は、
40度程度のぬるま湯につける
というもので、
やけどの場合の冷やすとは
正反対になります。

 

これを間違えると跡が残ったりしますのでご注意を!